2018年12月31日月曜日

ハイカラ娘と銀座百鬼夜行の後書きにかえて

今回書籍の方にあとがきスペースがなかったので、あとがきにかわるものをこちらで書けたらと思いながら、余計なことではないかと書いたり消したりしているうちに、すっかり遅くなってしまいました。
(カクヨムの近況ノートに書いたのと同じ内容です)

本書を手に取って下さった方、ありがとうございます。これからの方、興味がわいた方は是非、書店へGOです。

 ハイカラ娘と銀座百鬼夜行
ハイカラ娘と銀座百鬼夜行/作楽シン(富士見L文庫)



本書は、カクヨムWeb小説コンテスト キャラクター文芸賞で特別賞をいただいた作品です。受賞時にも書いていましたが、もともとは覆面作家企画という企画に出したもとは6000字の短編でした。
自分が書けない時期に、今までの自分から変えてみて、とにかく楽しんで書こう、とにかく楽しんでもらおうと思って書いた作品です。
なので基本的には、難しいことを考えず、わくわくと楽しんでもらいたい作品です!
受賞時の思いなどはくわしくはこちらから


これを載せるのを迷っていたのは、あまり作者が作品についてあれこれ解説をして、読んで下さる方の印象をせばめてしまうのはどうかなと思ったりするのもあったのですが、
裏話とか知りたいなーていう方だけどうぞです。




そもそも本作のネタを最初に思いついたのはもう随分と前……ゲームのダウンロード販売が本格的にはじまった頃です。
すでに音楽はDL販売が行われており、書籍も電子がどんどん盛り上がってきていて、書店さんの閉店などが話題に上がるようになりました。
これから、ゲームの販売店はどうなっていくんだろう、と考えました。
それから、これは色々な職種で、今まで起きてきたことなんだなと考えました。たとえば明治の頃主流であった人力車は、観光地で姿を見るのみです。
音楽にしても、レコードからカセットテープ、CDと姿を変えてきて、そのたびにそれを扱っていた産業はどうなっていったのか、新しく便利なものが生まれていくのはいいことだけれど、私はゲーム屋さんのごちゃごちゃしたディスプレイやPOPが好きだったので、そういったものは少なくなっていくんだろう、きっと形を変えて残ってはいても、そうやっておいて行かれたものはどうなるのだろうと考えました。
新しいもので便利になることはとてもいいことで単純に嬉しいし、それによって、今まで不便な思いをしていたりつらい思いをしていた人たちが助けられることはたくさんあるはずです。でも、それまであったものは押しやられて、仕事を失ったり変化を強いられる人たちもいて、渦中にいなくても誰もが変化を強いられるわけです。そして新しいものは嬉しいけど、懐かしんできたものがいいものだというノスタルジックな思いも私の中にあるのです。
それが、本作の百鬼夜行やあやかしたちの姿につながっている気がします。
ハイカラさんの時代は現代と同じように、どんどん新しいものが入ってきて、古いものが置きざられていく。
そういったものが混じり合っていく不安や不満や期待や怪しさ、人工的に闇を照らしているつもりで照らせていない混沌を、ワクワクを楽しみながら感じてもらえたらと思っていました。

そしてこの頃は、女性が非常に窮屈な思いをしていた時代でした。
現代は 先達がたくさん努力をしてきてくれて変わってきてはいるものの、まだまだ今に通じるところがたくさんあります。
そういうところを「あたらしき女」であるところの、環蒔が元気いっぱいにやりたいことや言いたいことをやっていったりすることで現代女性へのエールみたいなものにもなればいいかなと思っていました。

なにはともれ、基本的にはとにかくワクワクと楽しんでいただけたらと思っております。
ご感想お待ちしております。

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